レーシックの誕生!
レーシックの概要
レーシック(LASIK)手術の手順は、先ず、点眼麻酔をしてから目を機械装置に固定します。そして、目の洗眼を行います。しばらくして、フェムトセカンドレーザーで角膜の表面を薄くスライスしてフラップ(蓋)を作成します。
引き続き、フラップをめくり、表出した角膜実質層にエキシマレーザーを照射して、屈折矯正しながら一部を削ります。その後、フラップを元の状態に戻し、フラップが自然に吸着します。
結果、角膜中央部が薄くなるため、角膜の曲率(凹レンズを用いたのと同じ効果)が下がることにより、近視・乱視・遠視を正視の状態に視力を回復させることになります。
を照射
に戻す
レーシックの特徴は、入院の必要もなく手術が終われば、しばらく安静後、帰宅する事ができます。また、時間も両眼で10~20分程度と短く、手術直後、間もなくして視力が回復し始めます。
視力が安定するには、1週間から1ヶ月程度かかり、約90%以上の人が裸眼視力1.0以上に視力が回復します。ここに、レーシックが人気となった理由が隠されています。2008年、調査結果により、国内、年間約40万人の方がレーシックを受けられています。
レーシックで使用される主な医療機器
日本では、2000年1月にエキシマレーザーが厚生省(現・厚生労働省)に承認されたことで、メガネやコンタクトレンズに代わる第3の視力矯正方法として、人気が高まっています。また、フェムトセカンドレーザーとして使用される医療機器についても、次々と承認が得られています。
【左側】:
フェムトセカンドレーザーとして注目の「iFSフェムトセカンドレーザー装置」
【右側】:
エキシマレーザーとして注目の「ビジックス・スターS4IR装置」
※共に厚生労働省承認の装置
普及当初は、レーシックと言えば、近視レーシックとして、マイクロケラトームによるフラップの作成が主流で、特に軽度近視の方にしか対応できず、中等程度~の方は、受ける事はできません。
それから、一人でも多くの方が受けられる様、研究・開発の結果、次々と新しい屈折矯正術が誕生しました。その進歩のお陰で、軽度近視だけでなく、強度近視・遠視・乱視の方も受けられる様になり、これから更に進化が期待できます。
厚生労働省によるレーシック医療機器の認可の現状
レーシックの医療機器は、世界中で年々、進化をし続けています。その進化に日本の厚生労働省は、追いついていません。その為、米国FDAでは、既に認可されているにも関わらず、日本では、未だ認可されていない機器が導入されているのが現状です。
医院によっては、日本国内の認可を待たずに提供されている場合も多々あります。使い始めて、数年が経って、ようやく厚生労働省による認可が得られていると言う状況です。将来、認可が受けられる事が分かっている様にも思えます。
また、医院によっては、認可済みの医療機器を使用している等を明記している事も多々あります。もし、「米国FDA認可済」だけ明記されて、厚生労働省の文言が記載されていなければ、国内の認可が得られていないと考えられます。
「当社で使用する医療機器は、すべて厚生労働省の認可済みです」など、きちんと明記されているとより安心です。レーシックは、100%安全ではありません。そのリスクを少しでも抑える為には、安全性の高い医院を選ぶ必要があります。
これから、レーシックを受けようと考えている方は、医院で使用されている医療機器について、日本国内の認可を得られているかどうかについて、事前にチェックして置くとより安心です。
レーシックの歴史
レーシックの歴史は、二十数年とまだまだ浅い治療法ですが、現状、技術は常に向上し進化の一途を辿っています。毎年、視力に関する新しい治療法が提供され、まだまだ衰える気配は感じられません。
また、現在の技術でも視力回復が見込めない方や目の病気でお困りの方、決して、諦めないで下さい。きっと、近い将来、画期的な治療法が開発されるでしょう。
- ■ 1990年:
- 世界初のレーシックは、ギリシャで行われ、欧米やアジアでは韓国・台湾・シンガポールなどで急速に普及しました。
- ■ 1995年:
- アメリカ食品医薬品局(FDA)がエキシマレーザー(屈折矯正する為の装置)の使用認可を出した。
- ■ 1998年:
- アメリカでは、以降、視力回復にはレーシックが屈折矯正手術の主流となった。
- ■ 2000年:
- 日本では、エキシマレーザーが厚生労働省に承認された。
2万人の方がレーシックを受けられています。 - ■ 2005年:
- 日本では、7万人の方がレーシックを受けられています。
アメリカでは、130万人。 - ■ 2008年:
- 日本では、爆発的に人気となり、年間約40万人の方がレーシックを受けられています。
- ■ 2010年:
- 日本では、フェムトセカンドレーザー(角膜の表面を薄く削ってフラップを作成する為の装置)が厚生労働省に承認された。
その他、レーシックを知る
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レーシックのメリットレーシックは、視力回復の効果が高く、多くのメリットを享受する事ができます。特にコンタクトやメガネといった煩わしさから解放される、近視・乱視・遠視といった視力の問題を解決してくれる、なんと言っても手術直後、視力が回復し始めます。
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レーシックのデメリット近視の戻り、過矯正、角膜感染症、エクタジアなどと言ったリスクが考えられます。結果、症状によっては、追加矯正(再手術)や角膜移植、再治療が行われます。レーシックでは、この様なトラブルが発生する事も十分に理解して置かなければなりません。
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レーシックの安全性レーシックは、角膜の表面を薄く削る手術であり、眼球の内部には影響を与えない安全性の高い視力回復術になります。2001年に厚生労働省が安全性を認めました。それにより、レーシックの人気が高まり、一時、年間約40万人の方がレーシックを受けられています。
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レーシックの種類レーシックには、幾つか種類があります。それは、患者の目の状態(近視、乱視、遠視の度数、角膜の厚みなど)によって、分けられています。レーシックを検討している方は、先ず自身が、どの種類の治療法に適応しているのかチェックして知って置くと安心です。
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レーシックをお勧めしたい方レーシックは、煩わしいメガネ、コンタクトレンズ、老眼鏡などから解放され、裸眼で快適な生活を送りたい方にお勧めです。また、ドライアイによって、コンタクトが使用できない方、コンタクトやメガネの着用が職業上で邪魔になる方など、朗報です。
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レーシックが受けられない方レーシックは、全ての方は受けられません。適応検査で不適応と診断された方、18歳未満の方、妊娠中・授乳中の方、眼に強い衝撃を受けるスポーツをされる方、内科的に疾患をお持ちの方、眼の病気(緑内障など)をお持ちの方など、レーシックは、受けられません。
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アベリーノ症を発症している方アベリーノ検査の結果、アベリーノ症を発症している方は、基本的には、レーシックは受けられません。治療には、PRKやPTKが有効とされています。一部の医院では、アベリーノ検査には、更に検査キットを利用して解析し、アベリーノ症の原因遺伝子の有無を判定します。
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レーシックと合併症の関係レーシック手術後に発症する合併症の副作用として、主にハロー・グレア現象、結膜内出血などがあります。合併症は、一過性のものがほとんどです。また、稀にドライアイを発症した場合、後遺症にならない為にも早期の対処が必要になります。
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レーシックと感染症の関係レーシックで発症する感染症には、角膜感染症があります。細菌やウィルスなどが角膜の傷口より侵入し炎症を起こします。状態によっては、角膜移植、最悪の場合、失明の可能性も考えられます。もし徹底した衛生管理の下でレーシック手術が行われていれば、その様な事態に陥る事はありません。
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ドライアイの原因、症状、治療、予防についてレーシック手術後にドライアイの症状が出た場合、原因を追求して、早期の治療が必要になります。今後、ドライアイを繰返さない為にも、日頃からドライアイの予防を心掛けて置く事が重要です。目を乾燥させない様、適宜、まばたきをする、エアコンの使用などに注意!
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レーシック失敗(後遺症が残る?)レーシックの失敗とは、手術後、治療を施しても予定の視力が回復しなかった。また、後遺症として残ってしまった場合、そのレーシック手術は失敗です。また、ドライアイ、近視の戻り、目標の視力に達しない、過矯正など、失敗のリスクにご注意下さい。
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レーシック難民の現実レーシック難民とは、レーシック手術後、治療の甲斐もなく、後遺症が残り最悪の状態に陥ってしまった方を言います。日常生活にも支障を来たし、会社を辞める事態にも追い込まれています。現状、多くの被害者は、医院を訴えるなど訴訟問題に発展しています。