レーシックと感染症の関係

レーシックは、レーザーで角膜の表面を薄く削る手術です。徹底した衛生管理のもとで行われていなければ、通常は、起こりえぬ角膜感染症などを発症してしまいます。状態によっては、角膜移植、最悪の場合、失明の可能性も考えられます。

２００８年に発覚した銀座眼科でレーシック手術を受けた多くの患者が、角膜感染性という感染症になってしまったというニュースがありました。

この時期に、レーシックを考えていた人も、このニュースを聞いて一度、躊躇されたのではないでしょうか。私もそうでした。では、この感染症は、どのようにして起こるのでしょう！？

通常、私たちの角膜は、健康な状態であれば異物の侵入をシャットアウトする構造になっている為、通常は感染症に罹ることはないのです。

しかし、角膜を覆っている角膜上皮に傷が付いてしまうと、その傷口から細菌やウィルスが侵入し、いろんな症状を引き起こす原因になります。レーシック手術は、角膜上皮を薄く切開しフラップを作り、エキシマレーザー装置で屈折矯正を行いますが、この角膜上皮を切開することで、感染症に罹りやすくなるのです。

初期の近視レーシックでは、特にマイクロケラトームという器具を使って、角膜を切開する方法で行われます。その方法だと、手術後にフラップがずれたり、その器具がしっかりと滅菌消毒されていなかったりすることで、レーシックの感染症のリスクが高くなることがあります。

そして、自身がレーシック手術後にケアを怠ると感染症を発症する場合があります。この場合、自己責任になります。自身に於いても経過を観察し、感染症を起こさない様、十分に注意する必要があります。

レーシックの手術後、感染症は、約５,０００件に１件の割合で起こるとされていますが、適切な処置を施すことにより、治療する事ができるとされています。

角膜感染症の症状

下記の様な症状がある場合は、そのままに放置せず、直ぐに治療する必要があります。そのままにして置くと症状が悪化するだけでなく、最悪の場合、失明するなど重篤な状態になりかねません。注意が必要です。

主な症状

• 涙が止まらない。
• 目がかゆい。
• 白眼部分に充血が見られる。
• 角膜が白濁している。
• 異物感があり目がゴロゴロする。
• 目の痛みがある。
• 視力が低下した etc

レーシックは、レーザーで角膜の表面を薄く削る手術ですから、手術中や手術直後は、角膜の抵抗力が通常に比べて非常に低下しています。

感染症を発症するリスクがそこにあります。

もし、レーシック手術中、徹底した感染症対策が行われておれば、通常、感染症を発症することはないのです。また、手術直後は、細菌が目に入らないように充分に注意して、生活することが重要となります。

※医院のレーシックによる感染症の発症状況については、別途、レーシックの感染症ゼロに於いて、ご紹介しています。

レーシックで感染症が起こるリスクを抑える為には、少なくとも、次の点について、チェックする必要があります。大変重要です。

手術中の感染症対策

• 手術室の空調管理は、非常に重要です。空中にあるチリや細菌などを取り除き、手術室を無菌状態に近くすることで、感染症の発生が抑えられます。
• 手術器具がしっかりと滅菌・消毒されていることが大切です。常に新しいものを使用して感染症を防いだりします。

手術翌日、以降の感染症対策

• レーシックは通常、手術の翌日に検診があります。更に１週間後、３ヵ月後などの定期検診もありますので、感染症予防の為にも必ず受診する必要があります。
• 医院より処方される点眼薬には、感染防止の抗菌薬も含まれています。決められた日数・回数を守り使用しなければなりません。
• 風に当ると目が乾燥したり、ゴミなどにより雑菌が侵入することがあります。手術後の１週間程度は、外出の際にサングラスをお勧めします。
• 手術した目、まぶたには絶対に触れないで下さい。そこから、雑菌が侵入する恐れがあります。手術後、１ヶ月程は、特に注意して下さい。
• 手術後、数日間は、入浴や洗顔の際に、目に水がかからない様にして下さい。そこから、雑菌が侵入する恐れがあります。注意して下さい。
• お化粧は、手術後３日程は、眼の周り以外は良さそうですが、アイメイクは、できれば、１週間は控えめにする方が良さそうです。